カラオケ行こ!と対戦
中学生男子とヤクザの男がカラオケ場で繰り広げる青春物語。大阪が舞台の作品なのですが、もうとにかく関西人のしょ〜〜〜〜もないノリの解像度の高さよ!とにかくギャグシーンが面白く、劇場で笑いが絶えずつい釣られて笑っちゃいました。とはいえそれだけではなく、永遠ではない一時の時間だからこそ描き出せる人情溢れる物語はとても心温まりますし、ヤクザという日常から遠い世界の人間が我々と近い日常を送る姿はある意味とても大阪らしい映画だったと思います。ハートウォーミングな映画が好きな方、X JAPANの紅が好きな方はマストで見るべき傑作!君も汚いLemonや息絶えそうな残酷な天使のテーゼを聞き逃すな!
傷物語 こよみヴァンプと対戦
物語シリーズの始まりを描く傷物語。三部作として既に映画化されていた作品を再編集した総集編映画。つまりこれが君のビギンズナイト…。映画館ならではの音響の強さが存分に発揮されており、特にカラスの大群が一斉に鳴いたり戦闘中に様々なものがふっとばされたりするところの「音の重なり」がよく表現できていたと思います。写実的な背景をカメラアングルでグルグル回して迫力を増すという手法はちょっとだけGoHandsっぽいなとも思いましたが、あくまでも物語シリーズの文法の延長で作られているのでそこまでダブり感はなかったかも。ギャグシーンも混ぜつつどちらかといえばかなりシリアス寄りに作られてはいますが、一周回って笑わせる気はないのになぜか面白い「シリアスな笑い」が一番強かった気がします。一本の映画としてきちんと完成されていますので、知ってる人にも知らない人にもおすすめしたい一作。余談ですが、これまでの映画人生の中で一番映倫マークがデカい映画だったかもしれない。
ある閉ざされた雪の山荘でと対戦
とある別荘に招かれた役者たち。『閉ざされた雪の山荘』で事件に遭遇するというシチュエーションを演じる中、"本当の"殺人事件が起こってしまう…というミステリ。所謂本格派のミステリ…を期待すると拍子抜けするところがありますが、このシチュエーション自体が仕掛けになっているという作品全体の構造が非常に面白かったです。舞台設定からなるカメラワークや演出もバチバチに決まってて、これは映像化が上手い…!と感嘆してしまいました。あとやっぱりラストが良い!この展開になるということはラストはこうなるかな…と予想はできるんですけど、オタクくんこういうの好きだもん。そら諸手で拍手しますよこれは。総じてネタバレなしで是非見てほしい作品。なんなら予告も見ないでほしいくらいではある。おすすめです。