傷物語 こよみヴァンプと対戦
物語シリーズの始まりを描く傷物語。三部作として既に映画化されていた作品を再編集した総集編映画。つまりこれが君のビギンズナイト…。映画館ならではの音響の強さが存分に発揮されており、特にカラスの大群が一斉に鳴いたり戦闘中に様々なものがふっとばされたりするところの「音の重なり」がよく表現できていたと思います。写実的な背景をカメラアングルでグルグル回して迫力を増すという手法はちょっとだけGoHandsっぽいなとも思いましたが、あくまでも物語シリーズの文法の延長で作られているのでそこまでダブり感はなかったかも。ギャグシーンも混ぜつつどちらかといえばかなりシリアス寄りに作られてはいますが、一周回って笑わせる気はないのになぜか面白い「シリアスな笑い」が一番強かった気がします。一本の映画としてきちんと完成されていますので、知ってる人にも知らない人にもおすすめしたい一作。余談ですが、これまでの映画人生の中で一番映倫マークがデカい映画だったかもしれない。