八犬伝と対戦
あの歴史に残る南総里見八犬伝!…を作った男、滝沢馬琴に焦点を当てた作品。滝沢馬琴本人に焦点を当てた【実】パートと、八犬伝本編の内容を描く【虚】パートの2つから、滝沢馬琴という男の生き様を描くという少し変わった作りをしています。生涯にわたり戯作を書き続けた馬琴が現実の出来事に影響されながら、戯作を書く意義や理由を自問自答し続ける…という方向がメイン。いわゆる創作論的なテーマを取り扱っているのですが、これがとてもいい!悪が勝つこともある世の中だからこそ、正義が勝つ物語を書きたい…という願いがストレートに響いてきてとても勇気づけられました。尺の影響もあり八犬伝パートは最低限という感じですが、虚から実へ、実から虚へと影響を与え合う描写がきっちりとハマっていて気になることは少なかったです。あとね、内野聖陽演じる葛飾北斎がね!いいね!!予告を観て気になったなら観ても損はない名作ですが、実パート抜きで八犬伝を映画化してほしいな…という気持ちもちょっとあったり。…まあ絶対一本じゃ尺足りないと思うけど!