ミッシングと対戦
突然娘が行方不明になった両親。その苦悩を描く…という作品。SNSの過激な攻撃や当事者の心境を考慮しないマスコミ、疲弊し壊れていく登場人物たち…と現代社会に対する警鐘めいた作りをしている本作ですが、悪意も善意も本人からしたらちょっとしたことからにすぎない…というドライさが返って人間臭さを強調していたように見えました。石原さとみの演技がもうとにかくすごい!いやこれはとにかく実際に見て確かめてほしいですね。それぞれが何かを失い、それからどうするのか…現実に対する向き合い方や立ち直り方、人それぞれ違いこそあれど前を向いて歩くことを肯定する、厳しさの中に見えるかすかな光が眩しかったです。全体的に陰鬱で見ていてかなりしんどい映画ではありますが、見てよかったと思える名作だったと思います。