ヴェノム ザ・ラスト・ダンスと対戦
ヴェノムってこんな映画だったっけ…?いやこんな映画だったような気がする!…ほんまか?一応、ポップコーン映画としては上等。豪華なCGから出てくるモンスターアクションやコメディのかわいい面白さは健在で、まあ細かい事考えずに見たらぼちぼち楽しめる映画なのかな〜と。しかし色々見てると脚本の都合で馬鹿になっているとしか思えないようなキャラの行動だったり、やりたいことのために作られていることが見えてきてるストーリーだったりとどうも作為的なものが見え透けてきてあんまり乗れなかったかなあ。戦闘のギミックも正直なところ敵がアホだからパワーバランスが成り立っているだけという有様で面白みを感じられなかったのもマイナス。あと冒頭で「マルチバースにはもう飽き飽きだぜ!」って言ってMCUに啖呵切ってくる割には壮大なサーガを作りたい素振りだったりやたら長いエンドロールからの思わせぶりな映像だったりとMCUの後ろ髪に引かれまくってるのが見え見えなのが正直俺は悲しかったです。そういうことするならまずは面白い映画作りな?
八犬伝と対戦
あの歴史に残る南総里見八犬伝!…を作った男、滝沢馬琴に焦点を当てた作品。滝沢馬琴本人に焦点を当てた【実】パートと、八犬伝本編の内容を描く【虚】パートの2つから、滝沢馬琴という男の生き様を描くという少し変わった作りをしています。生涯にわたり戯作を書き続けた馬琴が現実の出来事に影響されながら、戯作を書く意義や理由を自問自答し続ける…という方向がメイン。いわゆる創作論的なテーマを取り扱っているのですが、これがとてもいい!悪が勝つこともある世の中だからこそ、正義が勝つ物語を書きたい…という願いがストレートに響いてきてとても勇気づけられました。尺の影響もあり八犬伝パートは最低限という感じですが、虚から実へ、実から虚へと影響を与え合う描写がきっちりとハマっていて気になることは少なかったです。あとね、内野聖陽演じる葛飾北斎がね!いいね!!予告を観て気になったなら観ても損はない名作ですが、実パート抜きで八犬伝を映画化してほしいな…という気持ちもちょっとあったり。…まあ絶対一本じゃ尺足りないと思うけど!
まると対戦
ある日、沢田は「まる」を書いてみた。その「まる」が世界に広まり、沢田は「まる」に囚われていく…という一風変わった作品。いや~~~俺こういうの見たいんですよ!!神に感謝。円環構造や閉じた空間など、円形に込められる様々な意味合いを解釈してストーリーに散りばめられているのは好感触。登場人物もいろんな意味でアクが強かったり印象的だったり…といちいち面白くて見ていて楽しかったです。…とはいえちょ~~~と描写に一貫性がなかったり、主人公が巻き込まれタイプなせいで物語を引っ張っていく力に欠けるところがあったのはちょっとストレスだったかも。見る人が見れば単に意味不明な作品で終わるし、また別の人が見たら感動できる…という感じで、作中で「まる」に何を見出すかが人物によって違うように、我々もこの映画に対する感情は違ったものになるのだろうか…?と思いました。俺は…どちらかというと低評価寄りかも。ただラストは結構好きです。余談ですが、昨今スタッフロールが長くなってきて2曲も3曲も使う作品が多い中、本作スタッフロールが短すぎて途中で時間稼ぎしてきて大爆笑しました。こんなん初めて見たわ。